耕稼春秋

悲しいことや苦しいことがある度に
今、自分は「耕されてる」と思うことにしてる


叩き上げられるほどタフではないし
涙の数だけ強くもなれない
全てを翼に変えられるほど器用ではないけど
変わらない自分を、ただ黙って深めることは出来る
たかが視界の限りの今を
肥沃にしていくことは出来る



風に乗って飛んできた種の一つ一つ・・・音や言葉が
ちゃんと根を張れるように
やがてケバい色の花を咲かせて、珍種の動物が集まって


あなたがいつかそこに遊びに来て
呆れたように笑ってくれる日まで



来る日も来る日も耕され染み込ませ
そして、風の終わらない今日を生きる