一作

大崎善生, キャトルセプタンブル

ドイツイエロー、もしくはある広場の記憶 (新潮文庫)

ドイツイエロー、もしくはある広場の記憶 (新潮文庫)

最近はスタジオの日が一気に増加
それに比例して通スタジオ中に読む本も膨大に量になっとるなー


大崎善生は地元で同じ職場で、偶然同じ時期に千葉に越して来た盟友が勧めてくれた作家
とても好きな作家ですね
恐らくムラカミハルキ以外で全ての作品を読んでる唯一の作家だと思う


大崎さんて実際、話自体はすごく面白かったりココロに残ったりってものは少ないと思うんです
場面や人物設定とかも使い回しが多すぎて「またこのパターンかよ!」ってことが多いし
でもそれを差し引いても彼の書く文は心底素晴らしくて魅力的過ぎて・・・
物語の本筋に惹かれなくても言葉の表現一つで
切なさも幸せも引き出して共感させてしまう不思議さがあるんだよね


このキャトルセプタンブルの中にもとても大好きな表現がある
「道端に咲く花を見て『きれいだね』と智也に言うことで、私は初めてその花を美しいと思っている自分を知った」
相手を‘想う’という次元じゃないほど、相手という存在が自分の内に定義される
愛するココロのあり方なんだろうなと


照らし合わせる自分の胸の内が切なくなるイッシュンです