記憶と旅路

大崎善生, さようなら、僕のスウィニー

人はいつか必ず死ぬという事実を前に
どう生きたかという現象は何の意味を持つのか



19歳までに死ぬという強迫観念に憑かれた少女や
幼き日の家族での幸せを再び手に入れるために
自分の家庭を意識していく男性


かつて共に暮らし、姿を消した家出少女を忘れられないまま
記憶を手繰り続けながら大人になってしまうこと


それぞれの命の価値に違いはあるのか
生き方に是非は存在するのか


大崎先生の作品にはいつも曖昧な死生観のそこで
ジリジリ焦がされる



おくこさんに借りた一冊


遺された人や、残った想いに迫る問いと
未来へと生き続ける切なさの一作