一作

本谷有希子, 生きてるだけで、愛。

生きてるだけで、愛。 (新潮文庫)

生きてるだけで、愛。 (新潮文庫)

欝で過眠症の寧子は
転がり込むように辿りついた恋人、津奈木の家で
引き篭りながら同棲する


ある日、津奈木の元恋人が訪れ
諍いの果てに彼女を外の世界へと連れ出すが・・・



盟友おくこ嬢に貸してもらった一冊



ダメ人間は本当に「ダメ」なんだろうか?


心のままに生き過ぎてしまう
感じることを一々感じてしまう
全てを脱ぎ捨てたくて全裸になってしまう
それは狂気の域ではあるけど、ぶっ飛んでるとは違う


自分は欝について深く理解できてるとは言えないけど
寧子は本当は誰もが苦しむはずのことを苦しんでいるだけ
悩みが割り切れるポイントを作れないまま
直進し続けてるだけ
現在の社会式に麻痺できないでいるだけなんだろうと思った




痛快に笑えたり、突き刺されるような一言が痛んだり
感じることと残る言葉が多い一作だった


本谷先生の他の作品も読んでみたいな