格闘家たち

戦う男

戦う男

毎年同じ時期になるとしばらく日本に滞在する為か、頻繁に職場のパン屋を訪れる外国人の集団がいる。毎年同じ顔ぶれ。


この街の近くに有名な格闘技の道場があるらしく、世界的に本当に有名でCIAも護身術で取り入れているとかで世界中から格闘家が集まるとのこと。
鍛錬と憧れの1年を過ごしてここへ旅してきたと思うとエモさしか感じない。


日本滞在を漫喫してほしい。パン食べてる場合じゃないよ。



バイトの女の子が、「外国人の方ってみんな礼儀正しくて紳士ですよね。かっこいい」と言っていたがそれは違う。礼儀正しくて紳士な日本人もいっぱいいるし、ほとんど一方的な理由で差別したり争いを吹っ掛けてる外国人は世界にそれ以上にいる。


彼らは外国人だから礼儀正しいんじゃなくて格闘家だから礼節を重んじるんだ。そこに最高のかっこよさがある。

ささやかな喜びをつぶれるほど抱きしめて

チェリー

チェリー

職場でその日レジを担当するメンバーが僕を含め全員ズラッと眼鏡をかけていた。
確率で言ったらどのくらいだろう。地球と土星と何かが一直線になるくらいだろうか。重力が何グラムか歪むくらいか宇宙的に。


集まったからと言って僕らは円卓の騎士にはなれないし、シェンロンを呼び出すこともできない。でも束の間、眼鏡屋さん体験が出来る。お客様も疑似眼鏡屋来店しちゃってるんだろうきっと。
ここは君だけのパリミキでメガワールドさ。ゾフでもいいけど近眼過ぎると結局高いぞ。



あの日、あの秋。僕らは確かに眼鏡屋さんだったんだ。



昂りよ想い出を突き抜けろ。パン屋のままで全てに届いたかのように。

それでも来た道

それでも来た道

それでも来た道

何らかの理由で足を悪くし、歩行が不自由になってしまった夢を見た。
階段一段すら上がることも本当に困難で辛くていっそ転げ落ちてしまいたかった。振り返ったその背中を支えていたのは亡き母だった。

モツモノトモタザルモノ

TOXICITY

TOXICITY

職場の金庫の電子ロックが壊れて店を開けることが出来ないという事案が発生した。前々から常々調子が悪いと報告していたものを・・・上司がいない日に限って。鍵なだけに。


パスワードを入力するキーの調子が悪くて正確に受け付けてくれない、そして3回以上間違えるとロックがかかってしまって30分待ち。謎の時間だけが過ぎる。そして電話越しの上司の指示は、「チャレンジを続けろ」。こういう人が日本の社会の発展を妨げるんだよくそが。


パスワードを僕しか知らない為、自分が取り組み続けるしかないのだがさすがに参ってきて、「誰かやってみます?」と零すとすかさず、「私、やってみたいです!こういう時の引き持ってるんで!!」と手を挙げるバイトの女子大生。
おお!君は某大手グー〇グルに採用が決まってる才女!!君ならこの難局を打開することができ・・・させるわけないだろ!持つものが持たざるものを簡単に制していく連鎖を!!ここでおれが止める!!!



無事ロックを突破し開店できたのはその2時間半後。こういうやつが日本の社会の発展を妨げるんだよくそが。

Vanishing Point

Vanishing Point

Vanishing Point

他人から悪意なくされた何気ない行為に怒りを感じる時がある。
自分だってここに存在しているだけで誰かを不快にしているのかもしれない。他人に特に何かをした覚えはないけど、自分の日常の行動全てに落ち度がないとは言い切れない。


発症したアレルギーは自分がまいた種、植えた苗が育って発した花粉によるものなのかもしれない。叩いた布団から舞った埃によるものなのかもしれない。


一方的に何かのせい誰かのせいなんて言い切れるはずがない。そして自分のせいだけでもない。死ぬまで抱え続けろ。