キミタチトハチガウマザッテタマルカ

UNDER THE COUNTER, Teenage Wasteland

I Know That Panda Was Stoned

I Know That Panda Was Stoned

地方から出てきた僕とっては
親元で暮らしながら夢を追ってますと口に出来るバンドマンは
立派な仮想敵だった。


いや、とにかく見下してた。
どれだけ強い想いや覚悟を口にしても
その言葉には(親元暮らし談)と後ろについてくるからなと。



土俵に立つ条件として苦しみを与えられると
その条件を達してない他人が同じ土俵に上がることを
卑怯としか思えなくなる。


でも、実際は卑怯と思った時点で卑屈なのだけれども。



あれから数年が経って、周りの同世代は片っ端から結婚したり
この世界から足を洗ってしまって敵すらいなくなった。
他人を卑怯だと甘いとも思う気持ちもどうでもよくなった。
後輩や同じ次元に少なからずそういう人が存在しようとも。



最近よっぴーの紹介で知り合った同じ愛知出身のヒトシンドさん。
彼と話していた時、久しぶりにここの回路に電流が走った。


他人がどうであったとか、どうなったとか元々関係ない。
本来関係ない。
僕らは土俵に上がるために独りで足掻いてきた地方人だった。
刀を抱いて武士を夢みて京に上った浪士組のように
僕らは楽器を抱えて、何物かになりたかった。



環境を与えられた人間よりも、条件を超えなければならなかった僕らのほうが
諦めが悪くて当然だ。
だって致死域に達するほど腹を括って国を捨ててきたんだから。


君たちとは違う。それは勘違いでも絶対だ。




ヒトシンドさんの言葉はとにかく強かった。


「今から滅茶苦茶練習するっていう量と時間を想像してみて。
おれはその5倍は毎日ベースを弾き続けてきてる」