泥濘を抱いて

Cloudberry jam, peace and quiet

Going Further

Going Further

今日の担当美容師との会話。


「呑みやご飯を食べに行く時、どこに行かれるんですか?」


「都内に住んでる仲間が多いので、新宿、池袋、下北なんかによく行きますね」


「あ、僕も都内に住んでた頃は下北によく行きましたよ!
下北ではどこのお店が好きですか?」


マジックスパイスですかね。自分の中のカレーの革命でしたね」


「ああ!あそこほんと美味しいですよね!
スープカレー発祥の店ですからね・・・僕もしょっちゅう行きましたよ。
そういえば、マジックスパイスの隣に美容院あるじゃないですか?」


「あった気がします」


「あそこ、僕が昔付き合ってた恋人がやってる店なんですよ」


「・・・そうなんですか」


「懐かしいなあ。王将の通りの奥の住宅街に彼女住んでてね
よく遊んだんですよ。楽しかった。
僕の青春でしたね」


「・・・」




走る線が交差し平行し、高さを作り面を作り世の中は生み出され続ける。
奥行きは常にそれぞれの内だけに在る。


時々、誰かのその泥濘にふと足を突っ込んでしまう。
温かかったりひんやりしたり・・・直線であったはずのそこに。