一作

いとうせいこう, ノーライフキング

ノーライフキング (河出文庫)

ノーライフキング (河出文庫)

人気コンピューターゲームを巡る恐ろしい噂に
恐怖し、巻き込まれていく子供達
学校や塾、電話を通じて広がり続ける噂と混乱は
やがて大人や社会さえも飲み込み・・・という話


かなり昔の本で、この話は恐らく
当時の噂や都市伝説を基に書いたものだと思うのだけど
その噂や情報の伝わりの恐ろしさは
まんま今のネット社会に当て嵌まるように感じて
リアルタイムの現在の風刺のように読める一冊



噂に呑みこまれて変わったり崩壊していく
人間や社会の恐怖ももちろんあるけど
それに踊らされているのが
必ずしも愚かな人間や浅はかな心だけではないというところにハッとした


デマに踊らされながらも家族を助ける為に
勇気を振り絞る子供達の無垢な心をどう捉えればと



勘違いは単純であるが故に恐ろしいが
時に純粋が故に否定しきれない