- 出版社/メーカー: パイオニアLDC
- 発売日: 2000/03/24
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現在に生きる少年が不思議な少女との出会いから
時空を超え遥か未来の地球の戦争に巻き込まれていく話
人を殺めるということを道徳観念で否定するものも死ぬ
殺める事実を自分の未来や命のためと戦い続けるものも死ぬ
悩み抜いた果てに、もう殺すことなんてできないと口にした次の瞬間に殺される
見知らぬ世界の壮大な冒険ストーリーなんかじゃなく
陰湿で閉塞された殺し合いの現実にひたすら迷い込んでいくのみ
サブヒロインのサラの境遇なんて惨過ぎて言葉にするのも憚られるし
救いがなさ過ぎる、シビアにもほどがある
実はキツいアニメのブラックリストとして有名だったらしい・・・
普通に興味本位で観ないほうがいいと思います
主人公のシュウ君が口にする現在世界における正しさが
むしろ誰かを追い詰めたり、信じたところで救われないことに
現在という「そこ」と未来の対比をまざまざと感じる
自分の村に帰るために人を殺し続けた果てに、帰る場所まで失ってしまったナブカ君が
最後まで誰も殺めなかったシュウ君に
「お前の居た場所に帰れ」と口にするシーンの悲しみと無常とやり切れなさに
全ては集約されているんだろうと思った
結果的にはシュウ君の言葉や行動が遠回りして遠回りして
ギリギリのところで未来を救ったんだろうけど
納得もカタルシスも感じることは難しい
それが争いの現実で
それは今、自分たちが生きる世界にある戦争や争いにも言えることなんだろう
元の現在に帰ったシュウ君はあの夕陽を見ながら何を想ったんだろうか