カラフルイイネ

COLORS

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放置民ながらも時々インスタグラムを覗くのだが(アイドルの投稿を見る為に!)、最近のインスタ野郎はお節介にもフェイスブックと勝手に紐付いてFBなリアルフレンドを友人候補と紹介してくれたりする。
お節介だわー、この先はお互いの見栄の遠距離射撃でしか関わらないであろう遠方の友までわざわざこの繋がりにまで連れてくるとか、性善説でも信じてるんですかね。このインスタント野郎。



そんなこんなの魑魅魍魎とアンタッチャブルな関係の連なりを怖いもの見たさで手繰っている中、職場の店長のアカウントを発見する。
3年連続で一緒にミスチルを観に行き、恋バナから子育て論まで語る仲だ!これはさすがにフォロワーになりたい!と思って職場で早速この件について話すと。



「いや、本社がアカウントを作って様々な事業や商品の紹介を始めてね、みんなでそれをイイネ!イイネ!して世界に広めようって試みなんだよね・・・」



は?イイネ!イイネ!しますよ。
僕は性善説とか全く信じてないですけど、自分にお金を払ってくれる対象と、それが野心を持って世界に挑んでくださる姿勢には正しくリスペクトしますから。



インスタントに反応出来る感情こそ誠意ですよね。



ところでインスタって何の略?

さよならバースディ

さよならバースディ (集英社文庫)

さよならバースディ (集英社文庫)

霊長類研究センターでの実験により人の言葉や気持ちをある程度理解できるようになり、キーボードを使った簡単な会話すら可能になった猿のバースディ。そのバースディの世話をしながらプロジェクトに関わる主人公の真の周りで不可解な自殺が連続して起こり始める。
事件の唯一の目撃者であるバースディに真は真相を聞き出そうとするが・・・



荻原先生のミステリー作品にしては仕掛けからの引っ繰り返しが弱い気もしたけど、そもそもミステリーなのか(本の後ろには長編ミステリーって書いてあるけど)。
人が亡くなったりもう会えなくなったりすることで、伝えられなくなった想いや確かめることが出来なくなったこと、それがバースディというたどたどしくしか言葉を伝えられない媒介を通してシンプルに重みを持って再現されていく。



本来、伝えること伝えられることはほとんど受け取り手の想像頼りの部分が大きい。
そこにある信頼関係こそが愛なのかもしれない。



そして泣いている主人公に「め みず」と告げるバースディの愛おしさ。全編を無邪気に駆け回るまるで子供のようなバースディ。いろんなことを学びながら知りながら、喜んだりいじけたり・・・タイトルの通り、最後には別離することがわかっていながらのパートナーとの日々に切なくも、それが共に生きる幸せなんだと思える一作。

私の怒りを吸い上げるヴィーナスわずかな覚醒を看取る日々さえ

Castle・imitation

Castle・imitation

仕事中に突然泣き出したり、「イタタタ・・・」と手首を押さえながらチラチラ他人目を気にしていた新入社員が退職した。
4ヵ月、社会人としては論外なんだろうがそのタイプとしては持ったほうなのか。



個人的には休憩に行ったと思ったらそのまま帰られたり、何の前触れもなく欠勤されて仕事的には正直ほんとうに大変な思いをたくさんさせていただいたのだが、それでも「あのクソッタレ不幸になれ!」とか「あんなメンヘラどこに行っても絶対上手く行かない!」のようなことはあまり思わなくて、どちらかと言えばどれだけ歪でも勝手でもその魂が収まる場所があると思いたい・・・のような気持ちが大きい。
そのくらいには神様を信じたい。



それが謎に迫る気力を失った後の祈りだとしても。



不完全、或いは不完全だと自負してしまう個を生み出しておいて、健常でなければ蔑まれ笑われるような世界構造を作り上げたわけではないですよね?とずっと問い続けている。


人間程度のバグにカブれたくない。

自由という最高の分際

All Right Now

All Right Now

  • フリー
  • ロック
  • ¥250

万年人手不足の職場にフリーターが入ってきた。
シフトに融通も利く!その分自由な未来に希望も抱いている!!




・・・やっと仕事を覚えた頃に辞めてしまった。



まあ未来に希望を抱いて自由だったら
条件も方法も世の中には満ち溢れているだろう。
幕末レベルに不安定でなければ大事を為せない時代
インスタントに見える身の振り方こそが試されるのか。




話は変わるけど、音楽や演技など表現の世界で夢を諦めたと公言する人間が
最近なぜかプロブロガーへの道を歩み始めることが多い気がする。(知人で)



そこには執念問題抜きに誰でも適当な評価で小銭を稼げたり
ステマチックに承認欲求を満たせる
その手の挫折者救済を対象にしたサービスでも組まれているだろうか。




登場人物全員の野心適当だから気をつけて。

Under The Bridge

冷や汗をかいたり耳鳴りがしたり・・・身体で異常を感じるくらいにならないと
辛いものを食べた気になれない。


もはや苦痛でしかないし、もちろん生き物の性質として苦痛は避けたいが
「辛いものを食べて満足したい」という気持ちは苦痛にしか満たせない。



心は何を求めているのだろう。



仕事が嫌でも辞められない人が
当たり前につらくないと安心できないことに似ている


心の素質の問題だ。

放課後のクローゼット

AKB48 衣装図鑑 放課後のクローゼット ~あの頃、彼女がいたら~ (TJMOOK)

AKB48 衣装図鑑 放課後のクローゼット ~あの頃、彼女がいたら~ (TJMOOK)

お祭りのテキ屋で手に入れた景品を見ながら幼い頃


「こんなチャッチイものでも誰かの仕事によって作られてるんだな
誰かがデザインして誰かが組み立てて・・・世界マジ立体的」


のようなことをモヤモヤ考えていたことを覚えている。



僕がチャッチイと思っていただけで
本当は誰かの真摯なイメージの産物だったのかもしれない。
誇りをもった仕事の結晶だったのかもしれない。


或いはヤ○ザが何かしらの圧力で生み出した粗悪品か。




世間には、同じような衣装を着て
同じような笑顔で纏め売りされてる粗悪品と思われている
48Gの歴代の衣装を片っ端から集めて収めて掘り下げた一冊。




本当に人気もお金もなくて、全員が統一な衣装で
そこで工夫と無理によって何とか作り上げてきた時代と
メンバーの衣装を一人ひとりバラバラにデザイン出来る程になった国民的アイドルな現在との、イメージの再現への熱量が全く変わっていなくて
そりゃブラック企業と呼ばれるわ・・・と思った。作業量!作業量!!
塗りつぶされるほどの徹底もまたブラックに成り得る。



立体的な世界の縦幅マジ半端ない。




9割が衣装の写真と説明文に占められており
「さくらたんかわいいなあ」みたいな気持ちで購入すると困ったことになる。
さくらたんは286ページ中5ページしか載ってない。



ファンアイテムでもないしコレクターズアイテムにも成り得ないだろう。
この文化の一つの正体知りたい人だけが手に取るべき一冊。感動します。