一作

菅野文, 北走新選組

北走新選組 (花とゆめCOMICS)

北走新選組 (花とゆめCOMICS)

大政奉還後、敗走を続ける旧幕府軍
北の果ての蝦夷地(現北海道)へと辿り付く


新政府軍との最後の戦いの中
旧幕府軍に属する元新選組の面々
土方歳三、野村利三郎、相馬主計らは
新選組への様々な想いを馳せる



おくこ嬢に借りた一冊


作品の存在自体は元々知ってたし
ずっと欲しかったから(様々な事情により手に入らず)
これをチョイスして貸してくれたことが嬉しかった



新選組末期という題材はかなり重い・・・というか
繊細に深く編み込まないと形にならないので
正直、漫画じゃなくて小説で取り扱ってほしかったなと思ってたのだが
これはこれで十分過ぎる、というか
漫画じゃなきゃ描けなかった部分もあったように感じた



何の為に生きるのか、何の為に死ぬのか
各々にとって新選組とは何だったのか・・・
もうこの辺りの葛藤って現在で言ったら厨二病ってレベルだろうし
当時の新政府軍や世の中の人ですらそう嘲笑してただろう


だけど、その青を守り抜いたままの死として完結することで
彼らは武士としての一生を美徳に成り立たせた
貫いた自己満足の切っ先が、後の世まで光り続けるって
それはやはり「成し遂げた」一つの史実だと思った


教えてあげたいですもん
「あなたの人生漫画になってますよ!」って


イケメンの純粋と臭すぎる友情ばかりの作品だけど
実際、その手の人生の最期ってそれしか残らなかったんだろう
そして信じ続けられる・・・信じてしまう姿は眩しくて
残酷なくらいかっこいいんだよ