- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2011/12/16
- メディア: DVD
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物言わず吠えるだけの生身の犬で再現したことによって
趣の違った作品になっている。
リアルさを求め過ぎて動物モノ要素は少なく
完全なるヒューマンドラマ化している感はある。
犬の内面で世の中が語れない分
お父さんが旅の途中に出会う人達のドラマ・・・
リサイクルショップのおじさん、旅館の女将、万引き孤児に出会うコンビニの店員
それぞれの抱えてる事情や感情が節々に挟まれる。
繰り返す日々に悩みながら抜け出せない彼らと
何もかも失って終りまで旅を続けるお父さんの対比に
人生の幸せを考える。
どうあっても幸福で不幸であることを。
以下、若干ネタバレをしてしまうが
車の中で最期を迎えるお父さんに「死ぬのは怖いよ」とまで口にさせてしまうのは
ヒューマンドラマとしては現実的ではあると思うけど
僕はそこは原作の「お前といると何か幸せだな」のままで良かったと思う。
「何か」のまま一緒にいることが全てを越えて来た。
この作品が単純な動物モノでも泣けるヤツでもなかったのは
その曖昧さが最期まで幸せを守れたことではないのか。