Youth Gone 大吉フレンズ

Skid Row

Skid Row

キャンパスライフを夢見る性質ではなかったけど
でも、華の軽音部に行けばワイルドでヒップなやつらが集ってると思ってた。


パーマをかけた髪に細身のジーンズ、ピチティーを着て
「好きな音楽」の欄にガンズアンドローゼズモトリークルー
・・・スキッドロウ!と次々に記しながら。



そんな僕のキャンパスライフは数年に一度レベルの酷い風邪で幕を開けた。


「新歓合宿に行けない代わりに、タカハシ君に合うメンバー探して
バンド組んでおくよ!」


同じ新入生の親切な言葉に無垢な僕は尚
どんなワイルドでヒップなやつらが集ってしまうのかと熱くなっていた。
病床に伏しながらも。ワイルドだろ?



バンド名考えておいたほうがいいかな・・・
『ワイルドドラゴン』とかどうだろ?






「タカハシ君のバンド決まったよ!『大吉フレンズ』!
ジュディマリのコピーやるってさ!!」









「・・・え?大学の軽音部ですか?速攻辞めましたよ。
熱の・・・違いですかね。熱の違いで決別しましたね。
やっぱり僕は真剣に音楽と向き合いたかったというか
群れたくなかったっていうかね」




思い出を美化するつもりはないけど
エピソードは徹底的に研ぎ澄ますからな。


覚えとけ大吉フレンズ。いや忘れろ。