さよなら、ニルヴァーナ

さよなら、ニルヴァーナ

さよなら、ニルヴァーナ

この作者自身が神戸の事件から感じるものがあったのか・・・
どんなものであれ少年Aに惹かれる感情があったのか?


作中の作家志望の女性の業の深さと灼熱の醜さは
社会に何と言われようとこの事件を題材にして書きたかったという
自分の熱を投影したものなのか。


ならば業火と言わざるを得ない作品だと思うし、違ったとしても
怖いくらい凄まじい心情の表現力だとは思うけど。


いずれにしても、個人的には絶歌よりデリカシーに欠いているなとは感じた。
よく調べて書かれているからか、直前に読んだ絶歌とどっちがどっちの内容で
真実か、調べなおした場面さえあった。
自分が被害者だったらこちらのほうが許せないかもしれない。



でも、何もかも振り切ってまで
表現の自由の向こうにまで言葉を投げるという姿勢には
何も感じないわけにはいかないくらい
僕も向こう側に行きたい一員でもある。