放熱への証

放熱への証

放熱への証

今、手元のコーヒーが冷め続けているのは
外気に熱を奪われ続けているから。


奪われるということは、奪った側のどこかで
未だ存在するということ。


通り過ぎる車に引き裂かれ
誰かに吸い込まれ吐き出され
風に吹き上げられて、宇宙に接触しても
その僅かはどこかで小さく温もり続ける。



例えば僕が今抱いてる強い想いが
大きな流れや抗えない事情で奪われる日が来たら
奪われた熱はそれでも、あらゆる景色や時間に果てしなく散らばって
ずっとどこか灯り続けるのか。


それが想い出なのか。