宮沢賢治, よだかの星

生存本能を与えられた動物の内で
何かに「命を懸ける」という心を与えられたのは人間なんだけじゃないか
・・・と思っていたが
よく考えたら動物だって家族の為に身を捨てて戦うし
繁殖の負担で命を落とす種族だって居るし
よだかは飛び続けて星になった。


世界はシステマチックになり続けながら
あくまで美しさを残す。
神様のミスか、粋なはからいか。



昔何かの少年漫画の新人作家の短期連載で
漫画家を志す主人公の話があった。


同級生はみんな就職して結婚してしまったり
家族にも見捨てられたり、持ち込んだ漫画をボロクソに言われたり・・・
追い詰められた主人公は漫画を辞めることではなく
逆に漫画以外の全てを捨ててしまう。部屋中の家具から何から一切全てを。


何もない部屋で横になり
「それでも僕は漫画が好きだ」という所で話は終わる。
(と記憶している)


当時は「全力でボールを投げてるだけみたいな話だな」としか思わなかったが
今になってその力に伴う全ての重みに気付ける。



その後、いくら探してもその漫画も作家さんも見付けられない。
もしかしたら想いは報われてとても有名になっているのかもしれないし
もう書くことを辞めてしまっているのかもしれない。


結果になって光ること、誰かの心にいつまでも灯り続けること
そのどれもが星なんだろう。


その刹那、命を懸けたという美しさによる。