蒼天航路

王欣太, 李學仁, 蒼天航路

極厚 蒼天航路(7) (KCデラックス モーニング)

極厚 蒼天航路(7) (KCデラックス モーニング)

小学校の頃、母親に
誕生日プレゼントはゲームソフトが欲しいと言った所
「それあなたの人生にとって何か意味があるの?」
と言われたことが忘れられない


それ以来、自分が欲しいものややりたいことに向き合う度に
これは自分の人生にとって意味のあることなのか・・・と
一々考えてしまう性質になってしまった


おかげでみんなが「何も考えないで楽しめる」
「考えるとかじゃなくてやるのが常識でしょ?」
と口に出来ることが
一切楽しく思えなくなってしまったし
義務を感じられなくなってしまった


そもそも、楽しさを目的とした楽しむことに
全く意味を見出せなくなってしまった



ただ、だからこそ向き合おうと決めたものからは
徹底的に意味を拾い上げ、隅々まで調べあげ
学び続けてこられたことも確か
それは音楽でも小説でもスポーツでもアイドルでもそう


人にお勧めをお願いする時の条件として
「鑑賞後に人生が変わるもの」
と常に口にしているのも、正にその性根の冷静と
覚悟から来るもの



一生、撤去できなくなったアンテナを建てつけられたことに
感謝もしているし、恨みもしている
おかげで人生が息苦しくてしょうがなくて
僅かな呼吸に誰より感動している


いろんな涙が出そうだ




先日、イワイ君に
「自分にとっての一番の漫画はやっぱり蒼天航路なのかもしれない」
と話したところ
数日後に彼は蒼天航路全巻まとめ買いをするという
タカハシ教っぷりを発揮したのだが(笑)


読み始めた彼が
蒼天航路、めちゃくちゃおもしろいです!
でも、読んでるとタカハシさんが本当に蒼天航路に影響受けてきたんだなと
つくづく感じます」
と言ってくれたことが忘れられない




蒼天航路自体、リアルタイムだったのはもう8年くらい前で
時々に所々読み返すことはあっても
変に自分に対して徹底された存在でもなかったはずだが


今、そんなイワイ君に影響されてもう一度
蒼天航路を集めなおして読み返してるんだけど
これは本当に・・・
タカハシさんが影響されてきたんだなと感じざるを得ない(笑)


あの時、人生を全て預ける覚悟で感じようと思って
学び続けてきたことが
今にまで生き続けてることに感銘すら受ける



恐らく、母親の教えは間違ってなかった
僕は漫画一つに人生をとてつもなく支えられてきた


そこには意味しかなかった




「我が身を休めることのできた親という廂がなくなった
これより先は、酷薄なる白日の天下を歩むのみ
世に無法あらばそれを殲滅し
世が無法ならばそこに法を作る!」


という曹操の台詞に心臓を持って行かれた


僕は涙を流しながら
また新しい人生に転生する