一作

伊藤たかみ, ミカ!

ミカ! (文春文庫)

ミカ! (文春文庫)

周りからオトコオンナと呼ばれるほど
活発なミカと
家でも学校でもいつも一緒の双子のユウスケ


姉の家出や親の別居、不思議なペットとの日々
「友情」も「恋」も曖昧な思春期の2人
涙と成長と
幸せな未来へと歩んで行く物語



これはとてもいい作品だった


児童文学と銘打たれてる(?)けど
子供が読んでワクワクしたり、共感出来るのはもちろん
大人になって振り返ってやっと解るような
「思春期」という時期の描き方のニュアンスがアレ過ぎる



鮮やかでキメ細かくて
掴みきれないまま感じるばかりのあらゆる漠然・・・
小難しいことを素直にしか受け取れなかった感性
簡単だったはずのことがこんがらがって解らなかったあの頃


想い出してウワーッってなったり
あの頃のぼくが胸いっぱいになったり
取り戻した心地になったり
「あれ?おれまだ思春期じゃね?」って思ったりと
おれとぼくの忙しくも幸せな読書体験だった



何かを得るとか、感じるとか
読書にいろんなものを求めすぎてた自分を
本を読むという冒険に立ち返らせてくれた一作