オールキル執事ズ

うちの店によく来るお客様で
食事後、必ずゴミ箱に漫画の単行本を捨てていく
女性の方がいる
店で読んで、読み捨てといった感じか


一読に全てを懸けるなら
それも潔しと思うし
所持することや揃えること
現物のコレクションに全てがあるわけでもないと
思ってるけど


でも、やっぱり・・・勿体無いよなと



そんな彼女がある日、スネアやペダル、スティック
ドラムセットを手にやってきた
しかもメーカーなどから見て、かなりのやり手とお見受けした


その瞬間、思ったね
彼女は読み捨ててるんじゃない
駆け抜けてるんだと
鼓動のビートのままに、恋のグルーヴでエンディングまで・・・
通り過ぎた物語は
所持しているだけの想い出になってしまう
だから、全て置き去りにしていく


・・・そういうことだろ?



それは「執事様のお気に入り」だった彼女が
全てのときめきを捨て
ロックへと歩んで行く朝の物語だった