一作

カズオ・イシグロ, わたしを離さないで

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

外界から隔離されたヘールシャムという施設
そこで学び、生活する少年少女の日々
待ち受ける未来への物語



盟友おくこ嬢が貸してくれた一冊
上野バンド、オオシマさんもお勧めでしたね


あらすじとか評判とかを一切目にせずに読み始めたので
シリアス展開・・・というか
この物語の置かれてる社会の全貌が見えてきた時の
動揺は、恐れにも似たものだった
極限まで鋭利な刃が
痛みもなく入り込んでくるような



大人になるということ、いつか終わりがくるということ
未来とは迫り来るものであるということ


幼さや思春や夢や
生きているだけで生まれる波紋の全ては
社会と現実の前で、あまりに刹那で
不器用に美しいということ



心と命の宿命の一作