一作

天童荒太, 幻世(まぼろよ)の祈り―家族狩り〈第1部〉

幻世(まぼろよ)の祈り―家族狩り〈第1部〉 (新潮文庫)

幻世(まぼろよ)の祈り―家族狩り〈第1部〉 (新潮文庫)

遭難者の夢―家族狩り〈第2部〉
遭難者の夢―家族狩り〈第2部〉 (新潮文庫)

遭難者の夢―家族狩り〈第2部〉 (新潮文庫)

贈られた手―家族狩り〈第3部〉
贈られた手―家族狩り〈第三部〉 (新潮文庫)

贈られた手―家族狩り〈第三部〉 (新潮文庫)

巡礼者たち―家族狩り〈第4部〉
巡礼者たち―家族狩り〈第4部〉 (新潮文庫)

巡礼者たち―家族狩り〈第4部〉 (新潮文庫)

まだ遠い光―家族狩り〈第5部〉
まだ遠い光―家族狩り〈第5部〉 (新潮文庫)

まだ遠い光―家族狩り〈第5部〉 (新潮文庫)

恋人との結婚問題、学内での事件に巻き込まれ
教師を辞め独りで生きる男
うつ病の妻と絶縁中の娘を持つ刑事
一人娘を抱えるアル中で失業中の男
正しさと愛を求める果てに
息子を殺さざるを得なかった夫妻・・・
それぞれの胸の疼きと孤独
底冷えの世界から社会を問う一作



全5冊、長かったとは感じなかった
ただ、夢中に進むというよりは
逆に自分がズブズブ浸食されていた感覚で



極端なくらい世の中のシリアスを切り取った作品だけど
その極端がミクロとして存在する社会は
いくら空っぽに楽しめても、バカのように騒いでも
やっぱりマクロとしてシリアスではないかと・・・


天童先生の作品には多かれ少なかれ
この価値観や視点が存在する
読みながら「いちいち厄介だなあ」と時に感じてしまう気持ちは
自分が社会の中で関わることが「厄介だ」と
見て見ぬふりして部分があることの証なのかもしれない



もはや、読書が「趣味」ではなく
「体験」として向き合えないと
読んでて気分が悪いだけの作品だと思う


全てを受け止め続ける苦しみあってこそ
訴えにやっと触れられるような