一作

秋山瑞人, 駒都えーじ, イリヤの空、UFOの夏

夏の終わりに転校してきた謎の多き少女、伊里野
主人公の浅羽が想いを寄せる彼女は
世界を救うことが出来る兵器を操ることができる
唯一のパイロットだった


搭乗者の命を蝕む兵器と戦いから伊里野を救い出すため
浅羽は二人での逃避行を試みる・・・



全4巻・・・読むのに五ヶ月もかかってしまった
最初なかなか入り込めなかったり
自分自身もいろいろあった時期だったってのもあったけど
結果的には自分の読書人生、トップ3に入る体験になったと思う



言ってしまえば、ひと夏のボーイミーツガール
でも、ボーイミーツガールという「セカイ」が「世界」に試されることのシビアさが
切々と描かれた一作


元々アニメで見ていたので知ってはいたけど
それでも平和な学園モノ→戦時下への落としは相当キツいものがある
そして、極限状態の中での一般人である浅羽の心境の描かれ方が
自分たちにも解りすぎるくらい生々しい


ラノベの域を超えた文章力と言われてる作品だけど
(大学入試に出たことあるらしい)
それは、この強くも見苦しくも揺れ動く人の心の動きや
空気の味さえ感じるくらいジリジリ伝わる焦燥感にあるんだと思った



好きな人の為に世界を滅ぼせる想い
一人の為に世界を救える想い・・・
それぞれが夏の終わりの儚さに揺れる一作