チョコレート

優しくない世界へハロー
歪みきったプライドのままで
溶けてゆく想いを舐めてる


伸ばした手は熱を感じない
それ自体が熱を失って
昼下がりに余りある静けさ


赦しを乞う人の群れに
甘えに落ちたその身を捧ぐ
言い訳のような教えに縋って


形のないものに怯え
形のないものを失って
苦笑いの僕だけが残って


曖昧な風が吹いて
新しい季節がくるよ
僅かに残った日差しを
蝕むように雲が覆い尽くして


緩やかな雨
僕は溶けゆくままのチョコレート
振り向けば甘くべとつく
拭えない
失くしたものが


どうせ終わる命を
守りきれない結末を
どうにかきれいに彩りたくて
ずっと後悔を貪っていく


優しくない世界へハロー
歪みきったプライドは崩れ
溶けてしまった想いを舐め尽くす


優しすぎた僕にはハウロウ?
何事もなかった世界を
何でもない風が通り過ぎて