一作

郷田マモラ, モリのアサガオ

新人刑務官と同世代の死刑囚
様々な因果から友情にも似た絆を育んでいく2人
だけどその先に待つ「死刑」


覚悟や恐れや混乱や肯定や否定
問い掛けの全てを繰り返し
2人がその瞬間まで歩んでいくまでの物語


テーマがあまりに重過ぎるというのもあって
読むのがつらくなるタイミングもかなりあったけど
読み終わってみれば、本当に心に残る作品だった
マンガを読んであれだけ涙を流したのは久しぶりだったな


世に「名作」というにはあまりに存在がシビアだけど
人生に携えて生きたい一作だと思いました



「死刑」という題材を取り上げる上で
社会的、倫理的にはもちろんだけど
人間一人、個人的な感情の切り口から思考され描かれているのが興味深かった


何度も悩み自責や問いを繰り返しながらも
主人公が「死刑」をやがて肯定し理解していくのは
そこに変わり行く、終わり行く人の情があったからこそだったから