一作

佐藤信介, LOVE SONG


タイトルや謳い文句の「会いたい」が先行して
陳腐な恋愛映画というイメージに捉えられがちだが
それに反してビビルくらい恋愛要素がないw
そしてこの立ち位置の邦画にしては稀に見るくらい名作だった


これからの未来や将来や漠然とした不安を抱く彼女と
夢を失った後の毎日を忙殺の中、自問自答しながら生きる彼の対比が
代わる代わる描かれていることで
やりたいことや生きかたへの意識も迷いも2方面から感じられる


そして現実的なシビア感が尋常じゃない


こないだたまたまyoutubeで発見して5〜6年ぶりくらいに見てみたんだけど
あの頃、未来に不安だった少女目線に自身を重ねてた自分が
今になって後者の彼に重なって感じてしまうことを
なんともやり切れない気持ちで受け止めることになった



夢ややりたいことの前にも後にも存在する人生をどう捉えていくのか
現実に裏切られたり逸れていく熱が
新しい日々に昇華するまでを描いた一作