一作

トルーマン・カポーティ, 冷血

冷血

冷血

カンザス州で起こった一家4人惨殺事件
犯人の生い立ちから凶行の動機・・・その後
事件を巡る様々な人間模様を生生しく描いた
ノンフィクションノヴェル


某盟友に薦められ
あの村上春樹先生も感銘を受けたというこの作品だったけど
自分にはいろんな意味でキツかったなと


まず訳文に慣れてなさ過ぎるってこと
完全に慣れてないが故なんだろうけど、言い回しが掴みづらいところが多くて・・・
あとは外国人名に馴染みがないせいで
「スーザンて誰だっけ?」って何度も認識し直すハメになることばかりだった
これはおれの踏み込み不足ってのもあるんだろうけど


ただ細部が把握できないどうこうなんてどうでもいいくらいに
現実をノンフィクションとして描く術と
それを描くために調べ上げたであろう情報量にはもはや閉口する
誰かの人生を捉えて描くために
自分の人生を懸けたというレベル



ペリーの悲劇と孤独な人生の果ての凶行
そしてその後の心の揺れは
狂気でも特別でもなく
人間の悲しみの行方でしかなかったように思える


読んでてつらかった