再会一方通行

再会

再会

早朝から営業している職場の店。朝利用されるお客様は毎日の出勤中に立ち寄られる方が多いのか、日々ほとんど同じ顔ぶれの常連様ばかりだったりする。


そうなってくるとその方はモーニングセット、この方はお持ち帰り、あの方はドリンクだけ店内でパンはお持ち帰りと、どんどん相手の認知を深めていくし話したことはなくても週に4日も5日も顔を合わせていれば他人とは思えなくなってくる。そんなお客様という他人。


3日に1回が2日に1回になれば居心地がよかったのかなと思って嬉しくなるし、逆に全然顔を見なくなると心配にすらなる。
お気に召さないことがあったのか、或いはお客様ご自身に何かあったのか。



そんなかつての常連さんが5年ぶりくらいに来店された。
転勤元のあの頃の習慣をただなぞっているだけであろうその全ての所作が、僕にとってはあの頃のリバイバルでしかなくて胸が打ち震えた。
手を握り合って泣きたいほどに。他人だけど。他人なのに。


あなたは僕のあの頃なんだ。