タイムリミット今夜越えて

愛の夢とか (講談社文庫)

愛の夢とか (講談社文庫)

肝臓疾患で亡くなってしまうが幽霊として恋人の潤一のことを見守り続ける時子、そして時子に先立たれた未来を生きていく潤一のことを書いた「十三月階段」。川上先生の作品は自身の価値観をもろに投影させたものは苦手なものも多いが、この作品は好きだった。



幽霊として想像の未来を眺め続けていくことは観念だなと。いや、強い想いを抱えて生きていくことさえ実際観念でしかないのかもしれない。それぞれの見ている、生きていく未来は離れれば当然にズレ続けていく。在るかもしれない未来の可能性の幅広さから今という一点は熱せられ続ける。虫眼鏡みたいに。
愛する人を今、強く抱きしめたくなる一作。




関係あるのかないのかわからないけど、13月というと植田真梨恵さんのこの曲を思い出す。



カレンダーの13月

カレンダーの13月




想い出の永遠と存在しないカレンダーの次の頁。




植田真梨恵 カレンダーの13月 20160122 InterFM Tokyo Brillianstrips




植田真梨恵さんは本当にすばらしいシンガーソングライターだと思います。