それぞれの致死

Joy Division, Ceremony

Still (Exp)

Still (Exp)

一時期ネット上にマンボウ最弱伝説というのが流れていた。
日光で死ぬとか仲間が死んだショックで死ぬとか
潜水して海底の寒さで死ぬとか。


そのほとんどは嘘らしく、マンボウは他の魚と同じくらいの
耐性や強さは持ち合わせているらしい・・・が
「小魚の骨が喉に刺さって死ぬ」というのは、消化能力の弱さ故に
有り得るとのこと。



原因と理由はそれぞれにしかわからない。有り得ない。


イアン・カーティスが自殺した理由が自分には長らく意味不明だった。
結婚して子供もいて愛人まで作って、離婚の話し合いがまとまらないまま死んだとか
・・・いやいやお前が死ぬなや!と思っていた。


ただ、問題はいつもどれも根深いもの。
調べたり知っていくうちにイアンの気持ちもわからなくはない・・・というより
僕自身さえもその致死ポイントを持っているのかもしれないとさえ思えてきた。



バンドがイケてる!と思って臨んだライブでお客さんが全然いなくて
帰り道に激しい癇癪を起こしたこと。
売れ始めたら売れ始めたで忙しくて公務員を辞めなくてはいけなくなって
音楽と家庭にどんどん溝が出来ていったこと。
結果、精神的な病気が悪化していったこと。


大人となった今では、愛に二心を抱いてしまったことの葛藤も解る。



誰かにとっての小魚の骨で誰かは死んでしまう。
生まれ持った弱さと抱え込んできた爆薬は
些細に敏感に反応して、その人を殺しにかかる。



最近は「人間いつ死ぬかわからないよね!」より
小魚の骨のことをよく考える。