朝日の誓い(前編)

熊木杏里, 朝日の誓い

私は私をあとにして

私は私をあとにして

大学前半に学校をサボりまくっていた僕は
友達ともしっくり仲良く出来ず、単位も落としまくってしまったので
3,4年生の頃には独りで遠距離を毎日学校に行かなければいけなくなり
日々を悶々と過ごしてた


そして、何かにむしゃくしゃした人間が犯罪を犯すように
僕は自分の財布を犯しまくって
学校帰りに毎日のようにCDを買い漁っていた


今、関東で暮らしてこっちでCDを見ていると
愛知・・・特に地元の豊橋のCDの相場は高かったと言わざるを得ないけど
それでも身を切り余裕を捨て
心の解放と発露の切っ掛けだけを求め続けた


もちろん無理は続かなくて、昼ご飯を抜いたり
電車代をちょろまかしたりの工夫(すみませんほんと)にも限界が来るのだけど
そんな時
「あら、今夜はCD一枚サービスしちゃうわ」
「毎日のように来てくれるからポイントサービスしとくね」
と、いつも通う個人経営のCD屋のおばさんが気を遣ってくれた



僕はその店に本当に毎日にように通いCDを買い
毎回、次に買うCDまで取り置きさえしてもらってた
ピロウズガーネットクロウ熊木杏里
UKロックもハードロックもグランジエレクトロニカ
ほとんど全ての音楽はその店で集めた気がする


おばさんともいろんな話をした
おばさんが好きなヨン様の話、僕が好きな音楽の話
豊橋の街の移り変わりや
やがて卒業してフリーターになった僕の
仕事や夢の話


新年になったと言えばCDをプレゼントしてくれ
卒業したとなればCDをプレゼントしてくれた
年齢関係的にもどこか、二人目の祖母のように感じていた



そして、やがて僕が関東に越すことになる時にもCDを・・・