- 作者: 荻原浩
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/11/08
- メディア: 文庫
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本質から遠ざかってしまう生き物なのかもしれない
若年性アルツハイマーで記憶を失くし続け、精神が退行するほどに
甦る過去の想い出や
複雑さの解けていくような感情に
まるで少しずつ何かを・・・本質を
取り戻しているようにも見える主人公は
病という絶対的な悲劇の中で
ある種、救われているように思える
ただし、「思える」
完治や改善の難しい病と向き合うことは
現実的に答えがないので難しくて
最終的には本人と周りの人の事実の受け止め方
推移と未来の捉え方次第になってくる
その次元においてはきれいごとは
確実に現実に意味を持って作用している、間違いなく
救いは、神はそれぞれの内に存在する