逆刃と牙突と金

和月伸宏 大友啓史, るろうに剣心

新撰組において斎藤一という人物の捉えかた
描き方はとても難しい


京都時代〜上京後〜会津まで戦い抜き
それでも生き延びて新政府の中で警官になっている


行動、生き方の根拠が信念の貫きの為にも
命の永らえの為とも思える



原作と違い、序盤から斎藤一の登場するこの作品は
その矛盾にも似た彼の感性
そしてその時代に生きた元志士誰もに課せられた
生き方と信念という二つの葛藤に
真正面から向き合っている



逆刃刀を抱き、現世から離れた己の誓いに生きる剣心
時代の流れに激しさに惑い「食う為」の道しか選べなかった志士達
そして、新しい時代の中で信念だけを守る為に
強さと自分の正義をひたすた貫いて生き続ける斎藤


原作が少年誌の漫画とは思えないほど
(これは悪口ではなく、むしろ今やっと原作の底の深さに気づいたってこと)
あまりに歴史物であり、志士ドラマだと思った



映像の埃っぽさは正にあの時代の
「変わったけど新しくなりきれない感じ」を表してるし
そこら辺は「龍馬伝」も担当してきた
大友啓史氏だから撮れるものだろう


キャストも佐藤健江口洋介蒼井優香川照之青木崇高
龍馬伝メンバーが勢ぞろいなんだが
龍馬伝で人斬り以蔵を演じてきた佐藤健氏が
「一度人を殺めると後戻りできなくなる」と語ってるのを観ると
勝手に妙に深いモノを感じてしまうな(笑)




いや、とりあえず黒髪ロングの蒼井優が最強にも程がある
もう維新とか新時代とか言ってる場合じゃない