走り出した想いが今でも

今石洋之, 天元突破グレンラガン

先に断っておきますが、ネタバレ前提で書きますので
これから観ようと思ってる人は
視聴後に読むことをお願いします
(最近、1日のアクセスが四桁行くので一応・・・)




完全にナメていたというか
「最近のアニメって重要人物が突然死ねばいいと思ってるな」とか
「最終的にいいところでカミナ生き返るんだろ?」
と、正直ずっと思っていた



いつまでも影響し続ける、誰かの不在
喪失が一人ひとりの心や人生に影を落とし続けるということ
人の死とは何なのかを
ここまで終始意識させられることになるとは・・・


ここまでのそれを感じたのは
マニックストリートプリーチャーズ以来かもしれない



多元宇宙で幻のカミナに再会したシモン
「今度こそ本当にあばよだ・・・行けよ!兄弟」
と言うカミナに
「あばよじゃねえ!・・・一緒だろ」とシモンが応えたとき
作品を通して受け止められた死という現実と
それが喪失以上になる瞬間を見た気がして
一人の部屋で声を上げてしばらく泣いた


賛否あるらしいが、作品の最後、螺旋の力でニアを生き返らせることなく
旅に出たシモンの選択は
ゼロになった存在と一緒に生きていくことの尊さを誰より知る
彼らしい正しさなんじゃないのかと僕は思います



こんなタイミングだから勧めてくれたってわけでもないだろうけど
あの日、弟が「グレンラガン観てけば」って言ってくれて良かったと思う
彼に勧めてもらえてよかったなと思う


「ここ数年観た中で一番の作品」と同じく勧めてくれたイワイ君
「ニアは私の嫁」と語ってくれたおくこさん
職場で「人と獣の二つの道が、ねじって交わる螺旋道!」と
一緒に熱くなれるアリシマ君にも感謝




明日を掘るドリルを握る手に宿る
温もりと力に再び気付ける、そんな作品


自分にとって大切な一作です