言葉の正体

短歌ください (ダ・ヴィンチブックス)

短歌ください (ダ・ヴィンチブックス)

歌人穂村弘先生の講演を聞きに東京に行って来た


「言葉の正体」と銘打たれた今回の講演
言葉とはそれぞれの人の世界像だと語る穂村先生



例えば自分の結婚相手の呼び名一つとっても
「嫁」と呼ぶ人、「妻」と呼ぶ人
「奥さん」「相方」「連れ」「敵」と呼ぶ人


相手を「嫁」という言葉で捉え、表す人は「嫁と呼ぶ人の世界像」を生きてる
「妻」と呼ぶ人は「妻と呼ぶ人の世界像」を・・・
一つ一つの言葉がその人の中で採択されるまでの今までが
世界像を作り上げてるという話など


言われてみると確かに解るし、元々イメージはあっても
言葉から切り込んだ所にある真実を改めて語られると
その度、それこそ「正体」の広さと深さを知る心地だった



人はあまりに感銘を受けると、感動するというより
落ち込んでしまうのかもしれない
帰り道、かなりズッシリきてたな


言葉フェチは所詮フェチでしかなかったという程度を知り
でも、逆に何もかも捧げ求められる、信じぬける
自分と自分のテリトリー全てのような言葉の魅力に
死ぬほど憑かれた夜だった



穂村先生の作品との出会いから
今日のこの機会までの縁をくだささったおくこさん
本当にありがとう