かつて祝福されて生まれて来たはずの君と、私の物語

戸田幸宏, 暗闇から手をのばせ

「お金の為なら何でもする」
社会の中で心の一部を欠いてしまったような
障害者専門のデリヘル嬢の沙織は
身体の自由を欠いて尚、日々を生き抜く障害者達との出会いの中で
失くしてしまっていたものを取り戻していく


・・・本筋は一本ドラマチックに通っているが
本筋は本筋、テーマはテーマ、問い掛けは問い掛けのままに
終始、掲げ続けられていたような作品だった



障害者も同じ「人」であると尊重すると同時に
確かなものになる性の問題
希望にも絶望にも無音で迫ってくる死という絶対
そこからのばした手の強さや美しさを描きながらも
最後まで結論ではなく、現実が残る


本当はノンフィクションのドキュメントを撮りたかったけど
企画が通らず、代わりにフィクションとして映画化したという事実にも
頷ける・・・というか、思い知るほど重い