一作

大友啓史, 龍馬伝

想い出でも未練でも、志でも夢でも
「抱えていく」という生き方とか何なのか
自分はずっとそれを命題として生きてきたつもりだったけど
改めて問いかけられた
久しぶりに考えさせられた気がする



龍馬がスーパーで器用な存在だからこそ
周りの人間の不器用さや無念がドラマチックになる
武市にせよ以蔵にせよ高杉にせよ・・・弥太郎にせよ
成し遂げられなかった人も皆、歴史の中で主人公であり
それぞれが自分の志に勇気づけられ、追い詰められ
それでも家族や恋人を切なく想う一人の人間だった


彼らとの一つ一つの出会いが龍馬の中に何かを遺して行く
別れなければいけなかった女性達の想いもそう
全てを抱えて歩み続ける龍馬を真の主人公に変えていく・・・


敗れるか割り切るか叶えるかでしか先がないような人の未来を
「抱えていく」という形で昇華させる
このニュアンスは本当に素晴らしいというか、正直、目が覚まされた心地だわ


おれは多分ずっとずっとこれを目にしたかった



歴史上の人物としての龍馬をどのくらい再現してるかは別として
この作品は「ドラマ」として史上最高レベルの秀逸
最後まで沖田総司がなぜかピンピンしてたこと以外は完璧に近い
(まあ、あれだけの取り上げられ方で病気アピールも難しいだろうが)



ここの「一作」史上暫定一位だった「空気人形」を大差でかわしての首位