一作

黒沢清, トウキョウソナタ

トウキョウソナタ [DVD]

リストラされたことを家族に言えないでいる父
勝手にアメリカ軍に入隊する兄
給食費を使い込んでピアノを習っている弟
少しずつズレ始める家族に
悩み、不安を募らせる母

不協和音の４人が奏でる
今と将来、心の旋律の一作

盟友アイカワ君に教えてもらった作品

「精神状態が優れない時に観ない方がいいよ」
と忠告されていたにも関わらず
結構フラフラの時に見て相当抉られたな・・・
内臓三個くらい持って行かれたんじゃないかってくらい

日本、香港、オランダの共作ということで
邦画の持つ日常を切り取る生々しさと
洋画式のシュールさが高いレベルで調和してる
（その分チグハグな部分もあるけど）

元来、一緒に居て過ごすことが前提のような家族に
その当たり前を問い
突き当たる様々な局面にその繋がりを問う

決して「絆」とか言葉では集約できない全てが
この作品に
そして、現実全ての「家族」にはある

最後のシーンは泣けるというより
これはちょっと泣かざるを得ない